あ、どうも。
先々月、我が子が遂にMLBデビューしてガチ泣きした俺夫です。
我が子とはタイトルの彼、ジャレッド・ケレニック(正しくはケルニック)の事ですが、我が子と呼ぶのには幾つか理由があります。
・プロスペクトにハマるキッカケになった選手
・ドラフトイヤーの2018年から追っかけ中
・デビュー前にMLBカードを買いまくった
・肩入れしすぎてほぼ母親状態(呼び方はケレ君)
今まで特定の選手について記事を書いたり、個人的見解を書いたりするのは避けてきたのですが、彼がMLBを代表する大スターになった時に後出しで書くよりは先出しの方が箔が付いてカッコいいなと思い、今に至ります。
逆にデビュー前が評価のピークなんてキャリアで終わった際にも、一ファンとしてどれだけ期待していたのか記事として残しておく事は面白いなと思いました。
今回は、そんなケレニックについて好き勝手に書いていきます。
名前はジャレッド・ロバート・ケルニック
Jarred Robert Kelenic
よくケレニックと呼ばれがちですが、正しくはケルニックです(自分も最近知りました)。
just so we’re all on the same page…
— Seattle Mariners (@Mariners) May 13, 2021
(via @JKelenic_1019’s YouTube channel) pic.twitter.com/9KjPACeJ7f
でも誰がどう見てもケレニックでしょ。
名前も顔も。
要するに「KELE-NICK」ではなく「KELL-NICK」と発音するらしいのですが、デビュー前からずっとケレニックって呼んでたし、なんならケレ君って呼んでたから僕の中では未来永劫ケレニックです。
生い立ち(ドラフトされるまで)
基本情報
Jarred Robert Kelenic(1999年7月16日-)
アメリカ合衆国ウィスコンシン州ミルウォーキー出身
外野/左投左打/6′ 1″ =約185.4 cm/196 lb =約88.9 kg/2018年ドラフト1巡目全体6位(NYM)/現地2021年5月13日MLBデビュー
- 2016 U18 Baseball World Cup 金メダル(MVP受賞)
- 2017 U18 Baseball World Cup 金メダル
家族
KELENIC家の構成
- (父)Tom Kelenic
- (母)Lisa Kelenic
- (姉)Taylor Kelenic
- (弟)J.T. Kelenic
- (恋人)Gina
KELENIC家の所有施設(共同経営含む)
※NX Levelは同ウィスコンシン州出身でNFLの大スターJ.J.ワットが使用しているらしいです。スゴすぎ。
地元は冬に野球ができない寒冷地
ケレニックの地元Waukeshaはウィスコンシン州の最大都市Milwaukeeに程近い田舎町です。
北海道札幌とほぼ同緯度で、冬が長く雪が降るため野球が満足にできない土地です。
実際、ウィスコンシン州出身の著名メジャーリーガーと言えば近年ではLADのGavin Lux(2B)くらいだそうです(ケレニックとは友人同士)。
そんな土地でケレニックの野球人生を作り上げたのが先述したパパ所有の屋内野球施設でした。

高校時代
ウィスコンシン州の公立高校
女子の陸上が強いみたいです。
とある記事によると、高校の野球チームでの活動は殆どなく、国際大会に出場したりprep showcaseと呼ばれる選手の見本市に出てアピールしていたようです。
“I simply just say that ever since I was really young, I’ve had the highest expectations possible,” he said. “When people tell me, ‘You have a chance to be No. 1, a first-round pick, top 10, I expect that of myself. That’s who I am.”
「若い頃から期待されていたということです。『1位、1巡目、10位以内に入るチャンスがある』と言われたら、自分でもそう思います。それが私です。」
Jarred Kelenic of Waukesha West High School becomes highest MLB drafted prep player from Wisconsin
本人が言うように、少なくともドラフトの2年前からかなり期待されていたようで、周囲からの期待とプレッシャーを背負い日々努力していたようです。
国際舞台でも活躍してるし、この子メンタル鬼強です。
The #PG high school player rankings for the class of 2018 are now free thru Dec. 27 – https://t.co/jvKv9ylZuB pic.twitter.com/zPc6ugyNCA
— Patrick Ebert (@PatrickEbert44) December 21, 2015
2018年MLBドラフト
数々のモックドラフト(ドラフト予想)で上位10位指名を確実視されていたケレニック、NYMより1巡目全体6位で指名されます(同期の高校生では最上位)。
これ本当泣けます。
本人談によると、NYで行われたドラフト会議にケレニックも招待されていたらしいのですが、「今の自分を作り上げたのは家族やサポートしてくれた人たちのおかげ。その人たちと一緒にいるのが自分の責任」と地元でドラフトの日を迎えました。
言ってる事が既にスターやん。
ニューヨーク・メッツ傘下時代
2018年6月に契約後、NYM傘下ルーキーリーグで56試合に出場(.286/.371/.468/6HR/15SB/63H)し、好スタートを切ります。
12 years later and we still love NY pic.twitter.com/9aFmIF2mCQ
— Jarred Kelenic (@JKelenic_1019) June 30, 2018
本人もこんなツイートをしているように、ニューヨークでのMLBデビューを夢見ていたと思います。
ちなみに僕はレッドソックスファンですが、僕もI LOVE NYです(あの街最高やねん)。
ドラフトイヤーにトレード
2018年12月、SEAとNYMの間で5:2の超大型トレードが敢行されます。
SEA放出)Robinson Cano/Edwin Diaz
NYM放出)Jarred Kelenic/Justin Dunn/Jay Bruce/Anthony Swarzak/Gerson Bautista

リーグきってのタレントだった主力カノーとディアズを弾に、当時NYMのトッププロスペクトだったケレニックを含む5人を獲得しました。
このトレードを機にマリナーズGMのジェリー・ディポトが再建に舵を切ります。
Re-imaginingと銘打った再建策は、ケレニックと彼に続くトッププロスペクト達の台頭によって次第に実を結んで行きます。
シアトル・マリナーズ傘下時代
2019、飛躍の年
トレードの翌年2019年、プロキャリアでの初めてのフルシーズンを過ごします。
SEA傘下A→A+→AAで117試合に出場(.291/.364/.540/23HR/20SB/129H)し、期待を超える活躍を見せます。

印象的なのは、一年で3つものクラスを駆け上がっているにも関わらず、序盤苦戦したとしても比較的早く修正し適応している点です。
そして何より一部から懸念されていたパワー不足を完全に払拭するHR数。筋トレ馬鹿なのも相まって年々体がゴツくなっていきます。
お母さん、鍛え過ぎは感心しないわよ
最終的にKen Griffey Jr. Minor League Hitter of the Year(マリナーズ傘下最高の野手に与えられる)を受賞するなど、フルシーズン1年目ながら非常に高い能力を見せます。
Mariners Announce 2019 Minor League Award Winners
2020、我慢の年
この年は新型コロナウイルスの世界的蔓延の影響によりマイナーリーグ全試合が中止となりました。
それに伴い行われたSummer Training Camp(マイナーの模擬試合)に出場します。
一方、マリナーズは9月初めまで謎の粘り強さでワイルドカード争いを繰り広げます。
当然期待されるのはチームNo.1有望株ケレニックのコールアップ。けれど来る日も来る日もお声は掛かりません。チームは次第に勢いを失いレースから外れていきます。
ケレニックさん、たまらずこんなツイートをします。
SMH pic.twitter.com/NCYN4RKOZv
— Jarred Kelenic (@JKelenic_1019) September 13, 2020
SMH=Shake My Head
「呆れて物が言えない」様を表す表現
実はこの一連の流れには裏があったようで、結果として翌年のチームのオーナー辞任事件に繋がっていきます(後述)。
Top100プロスペクトランキング推移
- 【2018年末】62位
- 【2019年末】13位
- 【2020年末】9位
- 【2021年初】4位
2018年・・・同期ドラフト組では8位
2019年・・・同期ドラフト組では2位
2020年・・・OFでは1位
2021年・・・OF1位かつ2018年ドラフト組1位
ニューヨークメッツの呪い
MLBには有名な呪いが幾つかあります。
ボストンには86年間続いたバンビーノの呪い、シカゴには71年間続いたヤギの呪い。
そして我が息子ケレニックには何年続くかまだ分からないニューヨークメッツの呪いがかかっています。
What’s up Seattle!? #MarinerNation pic.twitter.com/eelTKQcQQ2
— Jarred Kelenic (@JKelenic_1019) December 3, 2018
これがNYM→SEAのトレードが決まった際のツイートです。このツイートだけリプライがやたら来ていますが、その半数近くがメッツファンの惜別コメントです。そして大半が惜別というより元カレからの復縁願いみたいなノリです。未練タラタラっす。
しかもケレニックが活躍する度にこんなリプライが毎回飛んできます。いやーキツいっす。

ケレニックとの大型トレードで移籍したカノーは二回目のお薬使用がバレて2021年シーズンの出場停止処分が下されます。対するケレニックは2021年初めの公式プロスペクトランキングで堂々の4位(OF1位)にランクイン。明暗の差が分かれすぎて、またもやメッツファンの嘆きツイートが飛び交います。
この呪いはメッツというよりメッツファン、むしろカノーの呪いでもあるのかもしれません。
ケレニックとの出会い
僕と彼の出会いは、地元のカードショップで開けたボックスからこのカードを引いた事でした。


いや本当カッコ良くないですか?
青いユニフォームに青い瞳・・・そしてこの顔。当時プレーすら見た事なかったのに完全に一目惚れしました。

そして次第に増えていきます。いつの間にかこんな感じに。

何だかんだで総額25万円くらいは費やしていたと思います。カードを集めていない方には分からないと思いますが、これでもかなり安く買えています。
2021、デビュー
シーズン前からチームはゴタゴタ
2021年、今年こそはケレニックがデビューするだろうと誰もが期待していましたが、シーズン前から不穏なニュースが流れます。
ことの顛末を要約すると、2020年にデビュー前の契約延長オファーを拒んだケレニックに対し、当時の球団社長が「それなら今年中のメジャー昇格はない」と発言したことが発覚し、炎上→辞任に追い込まれます。
おまけに同チームの岩隈久志や超有望株J-Rodことフリオ・ロドリゲスの英語は酷すぎると発言したりします。
アホですコイツ。
おかげでマリナーズは球団CEOを5ヶ月間不在のままシーズンを戦います(同年7月末頃に新女性CEO就任)。

ケレニック本人もこのサービスタイム問題に言及し、選手組合やジョシュ・ドナルドソンやゲリット・コールなどから賛同を得ます。
デビュー前から良くも悪くもメジャーリーガー級の注目を浴びてしまうケレニック。
果たして彼はMLBの顔になれるのか。
大注目のデビューと期待外れの活躍
ケレニックが「さぁ行くぞ」と呟くとMLB公式が「レッツゴー!」と返信する熱狂ぶり。
しかも同2018年ドラフト1巡目のRHPギルバートも同試合でのデビューとなり、全米で注目を浴びます。

現地 2021/5/12 対CLE戦 1番レフトとしてデビュー。
結果は0-4, 1三振と華々しいデビューは飾れませんでした。
しかし、翌日の対CLE第2戦、ようやく初ヒット(初HR)が生まれます。
動画に観客席で喜び合うケレニックファミリーと恋人Ginaさんが出てきます。前から顔見てるから親近感湧いてきます。一緒に雄叫びあげたかった・・・。

この日は3-4(HR, 2B,2B) 3RBIと大活躍。
このまま順調にキャリアをスタートさせるかと思われましたが、その後はしばらく厳しい冬が続きます。

打撃では三振の山を築き、守備でも精彩を欠きます。
大注目のデビューから僅か一ヶ月足らずでマイナーへ戻ることになりました。
這い上がる
- 2021/6/7 マイナーへ降格
- 2021/7/10 マイナーのAll-Star戦に出場
- 2021/7/16 メジャー再昇格
マイナー降格から1ヶ月弱、3Aでは打ちまくり遂にメジャー再昇格を果たします。
多くのファン(野次馬)からは見放され、このままではアクリーの再来どころかマリナーズ史上最低の大型新人と呼ばれてもおかしくないケレニック。
しかし彼は幼い頃から、そういった周りの声に負けずと激しい競争を生き抜いてきました。
彼は簡単には負けません。
#beattheodds
Beat the odds
下馬評を覆す/逆境に打ち勝つ
この言葉を信じる彼を僕は信じています。
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